2024年より、ニシデリアは、
食農SDGsの観点より、
地元大阪産食材を活かした
「なにわイタリアン」として
新たに再スタートいたしました。

公式インスタグラムで、私達の日々の活動を発信中です。ぜひご覧くださいませ。

シェフ西出雅章の想い

私は39歳の時・2017年に、この「ニシデリア」というお店で独立開業し、全国や海外の食材を用いた「天下の台所」らしいイタリア料理を提案してきました。
しかし、45歳を過ぎたあたりから、自分の仕事(飲食業)を通して地元大阪に貢献できないか、と考えるようになりました。

最初のきっかけは、産直市で買った大阪産野菜を料理して食べてみたら、驚くほどに風味豊かで美味しかったことです。
「私達の料理を通して、大阪にもこんなに美味しい食材があるんだぞ、という事を、もっと世間の皆様に知って頂けたら、大阪の料理人冥利に尽きる。それをこれからの私の料理人人生のやり甲斐としたい。」と思いました。

偶々ですが、大阪・関西万博のテーマの1つに「いのちをつむぐ」というテーマがあります。
“自然と文化、人と人とを紡ぐ「食べる」という行為の価値を考え、日本の食文化の根幹にある「いただきます」という精神を発信する。”
というものです。

私達は、大阪とイタリアの食文化をつむぎ、ニシデリア流の「なにわイタリアン」として発信する事で、
大阪産食材の素晴らしさと美味しさを、世界の皆様に知って頂けたらと取り組んでおります。
四季の素晴らしい大阪産食材を用いた、ニシデリアのイタリア料理、ぜひ味わいにいらしてくださいませ。

チーム・ニシデリア ご紹介

ニシデリアのお料理は、シェフ西出を中心にチームで作っています。旧来のピラミッド型チームではなく、積極的に若手料理人らの意見や感性も採用し、世代や経験の異なるチームメイトとシェフ西出の化学反応や融合を、新メニューとしてドロップしております。

シェフ:西出雅章
東大阪市生まれ。18歳から料理の道に入り、ザ・リッツ・カールトン大阪などで経験を積んだ、現場主義の叩き上げ料理人。
2010〜2017年、サルヴァトーレクオモグループの日本および海外全店の統括総料理長。
この期間に、パリ五輪のメダルデザイン担当のジュエリーブランドChaumet様を始め、Bulgari様、Tiffany&Co様など、多くのファッションブランド様の新作コレクション発表会の御料理をご任命頂き、クリエイティブを磨く。
並行して、カンパニア州を中心に、5回の渡伊。現地イタリアのエッセンスを吸収する。
同グループの2010年代における振興を牽引したのち、40歳を前に同社を引退し独立。
特にコナモン(粉もの)料理が得意。パスタ・ピッツァ・パンなど全て粉から自店で作り上げています。

スーシェフ:相川航平
1992年生まれの30代。エコール辻フランス・イタリアマスターカレッジ卒。
東京のイタリア料理店を経て、2017年に渡伊。星付き店でセクションシェフを歴任。
・Ristorante Materia(ロンバルディア/一つ星/前菜部門シェフ)
・Ristorante La Parolina(ラツィオ/一つ星/ドルチェ以外の全てのセクションを担当)
など、約5年間の研鑽を積む。
2022年に帰国後、シェフ西出に師事し、ニシデリア流の料理を学ぶ。2024年夏頃にスーシェフに就任。

パティシエ:マーレ(本人の希望でニックネーム表記)
チームニシデリアの紅一点。
元々は日本画家を目指していた美術学生で、フランス菓子を経て、2021年からニシデリアへ。
アートの世界で培った感性を活かした繊細な菓子作りを得意とする。
ニシデリアでは、伝統的なイタリア菓子を、大阪食材を用いながら、現代的に再構築したドルチェを開発。
対して、ピッコラパスティッチェリア(小菓子)ではクラシックな郷土菓子を再現している。
コース最後の小菓子に付くポストカードは彼女の手描き作品。ぜひコレクションしてみてください。

ソムリエ /マネージャー:難波裕二
ニシデリアのホールをまとめるダンディ・ソムリエ。
関西イタリアン重鎮の1人・八島淳次シェフに仕え約20年間を共に歩む。その期間中、イタリアにも渡り見識を深める。想い出深い土地はトスカーナとイゾラベッラ島。
イタリアワイン一筋の一本気さと抱負な知識経験を、シェフ西出に見込まれ、2023年にニシデリアのチームに加入。
過去に飲んだワインで想い出に残っているものは
「Sassicaia’88-Tenuta San Guido」、「Crichet Paje’76-I Paglieri di Roagna」、「Barolo Gran Bussia’70-Aldo Cnterno」、「Tignanello‘82-Antinori」、「Barolo Monfortino’85-Giacomo Conterno」、「Barolo Fallet di Serralunga d’Alba’82- Bruno Giacosa」など。
ソムリエとしては、ペアリングを最初から決めておくよりも、お客様と会話しながらニーズに沿ったワインを臨機応変にご提供する事を喜びとする。
イタリアワイントークを愛するので、同好の士はぜひ気軽にお声かけください。
(※小さなお店なので、満席の際などで充分なご対応ができない場合はご容赦くださいませ。)

サステナブルガストロノミー(持続可能な食・食文化)への取り組み

2017年に、ニシデリアというこの店で独立開業をスタートし、がむしゃらに働いてきました。
その甲斐あって、2024年には、大阪を中心に8店を展開し、従業員は100人を超え、年間売上高は7億円を越えるほどになりました。
事業としては、順調であります。

冒頭に書いたように、45歳という、料理人としても中堅世代を終えていく節目に立ち、
今後は、単に商売として利益を上げるだけではなく、飲食業という仕事を通して社会に貢献できないか、と考えるようになりました。

事業規模がそれなりに大きくなった、今の私達だからこそ、出来ること・可能なことがあるはずだと考えます。

私は、大阪で産まれ大阪で育ち、大阪で子供達を育ててきました。
この大阪に、自分なりの恩返しと、次世代になにかを遺してあげたい。そのように想っています。

私は飲食業一筋でやってきたので、そこから外れた事をやっても良い成果が上げられないでしょうから、
飲食業に関連する範囲で、これからの人生を使って、様々な取り組みをしていきたいと考えております。
近年、「サステナブルガストロノミー(持続可能な食・食文化)」という概念が普及して参りましたが、
私なりに、私達の身近な食に対する持続化への貢献・次世代へのバトンタッチを可能にする取り組みに努めていく所存です。

●ニシデリアは2024年より、食農SDGsの観点から、
大阪府下で初の試み(※JA大阪中央会調べ)として、
JA大阪市様、直売所・朝市会様、生産者様と共に「大阪イタリア野菜を含む大阪産野菜の持続的計画生産」に取り組む契約を締結しました。

元々は、過去に大阪市様とJA大阪市様が主導で「大阪市内産イタリア野菜」の生産推進に取り組まれた事に端を発します。
・海外から輸入したイタリア野菜でなく、国産イタリア野菜を推進したい。(輸送距離の問題で、鮮度や栄養価の劣化を防ぐ観点からも。)
・都市農業の持続化への支援。大阪府は東京都に次いで2番目に農地面積が狭い現状に対し、国産イタリア野菜を導入する事で「都市型の儲かる農業」を目指す。
これに賛同し、コロナ禍の影響で事業規模縮小となっていた状況を中興する為に参画いたしました。

具体的には、
種蒔きの段階から生産者さん達と二人三脚で一緒に生産計画を考え、収穫されたイタリア野菜を含む野菜類の全量高値買い取りを約束する事で、農家さん達にかかるリスクを私達が引き受けて担うという売買契約です。
野菜は自然の生き物で工業生産物ではありませんから、天候など様々な条件に左右され、収穫時期・収穫量・品質が変動します。
この結果による売上の不安定が農家さん達にとってリスクだった訳ですが、私達のグループでそのリスクを引き受ける事により、農家さん達は安心して野菜の生産に取り組めるようになります。
収穫時期(納品予定時期)が予定より前や後にズレてしまっても、収穫量が想定外に増えても減っても、A級品の収穫物だけでなく形の曲がったものや傷の入った収穫物についても、それらを全量、弊社グループ全店が、高値で買い取る事で、大阪市の農業の持続化を支援いたします。

また、私達は、大阪伝統野菜の持続も重要と考えておりますので、この取り組みによって、農家さんの収益に余裕・余剰が生まれた先には、それを大阪伝統野菜の持続にも貢献を繋げていきたい、と考えています。

●大阪産食材の活用・大阪伝統野菜の活用
大阪産(もん)=大阪府域で栽培・生産される農畜林水産物を積極的に用いたイタリア料理を提案していきます。
大阪府の認証する「なにわの伝統野菜」を積極的に用いたイタリア料理を提案していきます。
(詳しくは、弊店インスタグラムにて、随時情報発信をしておりますので、そちらをご覧ください。)

●能登牛の積極的仕入れと活用、および震災害義援金への寄付。
弊店は2020年から大阪でほぼ唯一、能登牛を使い続けてきた飲食店です。
当時、大阪には能登牛の流通ルートが無かった状態でしたが、肉質に惚れ込んで、自社独自の流通ルートの開拓から取り組み、弊社グループ全店で取り扱いを始めました。
2023年初頭には、生産者さん達と共に能登牛の長期肥育への取り組みもスタートさせました。
しかし、その後、能登半島地震が発生。
震災被害受けて廃業する畜産農家さんがたくさん出たと聞きおよび、少しでも能登の畜産農家さん達の助力になりたいと、
能登牛を使用したメニューの売上の20%を義援金として寄付いたしました。(寄付先:石川県令和6年能登半島地震災害義援金)
他、可能な範囲ではありますが、「食団連|一般社団法人日本飲食団体連合会」様等の団体と連携し、能登復興支援のチャリティー活動やボランティアに積極的に努めております。
当店は「なにわイタリアン」を標榜しておりますが、このような理由で、大阪産食材・近畿産食材以外に、能登牛肉は、弊社グループ全店で今後もずっと買い上げ続ける所存です。


未来のための「働きたくなる飲食業」を創っていきます

私は、農林畜水産業を国の最も大事な根幹産業の1つと考えていますが、食糧自給率問題などと共に、次世代の新規就農者や後継者の激減問題という、持続化を困難にする大きな(解決すべき)課題を抱えていると感じています。
そして、飲食業界もまた、同様の悩みを抱えていると思っています。
 
近年、若者の「なりたい職業」で、飲食業が選ばれなくなってきた事は、今や周知の事実です。
その大きな原因として、他業種と比較して労働環境が劣ることが挙げられます。
私は経営者の立場としては、弊社グループ全店において、
「働く人が幸せな環境作り」
「他業種と比べても負けないくらい、働きやすい労働環境の整備」
に努めています。

 
具体的には
・長時間労働にならない勤務時間設定
・出産や育児に付随する休暇制度の充実
・家族の介護に付随する休暇制度の充実
・「経営できる料理人」を育てる教育制度

などを実行しています。
 
既存の飲食店にありがちだったのは、
「少ない休日で長時間働ける人材に頼った店作り」でした。
昔はそれが修業という名目の「当たり前」で、それで良かったのかもしれません。
私自身も、修業時代や独立開業前はそういう環境で仕事をしてきました。
しかし、時代は移り変わっていきます。
 
ニシデリア(および株式会社レアル・ダイニング)が
「チームで作る料理」
「チームによる飲食店の運営」
「経営できる料理人の育成」
にこだわっているのは、
「少ない休日で長時間働ける人材に頼った店作り」から卒業し、
そして、
「働く人が幸せな環境作り」の実現の為でもあるのです。
 
飲食店として「お客様に、食べることの幸せ、食の幸せを提供すること」は大前提として考えておりますが、
「食べる幸せを提供できる店は、スタッフも幸せに働ける環境のある店」であると考えております。
 
未来のための「働きたくなる飲食業」を創っていきます。
これも、サステナブルガストロノミー(飲食業の持続化)の一環ではないでしょうか。

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