店と農家がひとつのチームのような感覚で野菜を育てています
2026.07.01

大阪・東住吉「佐々木農園」佐々木啓さん
農産物:イタリア野菜
■どこで何を育てているか、これまでの歩み
大阪市東住吉区の住宅街で、5代目として都市型農業を実践しています。もともと、ほうれん草と菊菜を中心に育てていましたが、限られた農地で量を追うのは難しい。小さな面積でも価値を生み出せる農業を模索する中で、「付加価値の高い野菜に挑戦したい」と思うようになりました。そんな時に出会ったのが、西出さん率いるレアル・ダイニングです。
私たちの想いは合致し、2024年3月、JA大阪の立ち会いのもと、大阪府下初となる「飲食店と農家の共同参画による継続的な野菜生産および売買契約」を締結しました。栽培方法や収穫時期をレストランと並走して決め、もし売れ残った場合も全量買い取ってもらえるという契約です。西出さんに「育てたものはしっかり使うから」と言ってもらえたことで安心して新しい挑戦ができ、今ではケールやフェンネル、トレビス、ルーコラ、カーボロネロ、チーマ・ディ・ラーパなど、年間15種類ほどのイタリア野菜を栽培しています。
■どんな農業を実践しているか、大切にしていること
祖父の代から、土づくりをもっとも大切にしています。鶏糞や出荷できない野菜を活用した有機肥料をつくり、土の力を引き出します。野菜は土で味が大きく変わるもの。特にイタリア野菜は個性が強く、香りや苦み、葉の食感までしっかり特徴を出せるように意識しています。
水は、ミネラル分が豊富な硬水の地下水を使っています。葉の厚みや濃厚な味わいにつながり、イタリア野菜と相性のよさを実感しています。また、同じ野菜でも、露地とハウスの両方で育て分ける工夫もしています。たとえばカーボロネロは、露地ものは力強く、ハウスものは葉が柔らかい。「こういう料理に使いたい」と相談を受けながら、育て方を変えています。農園は「Nishideria」から車で15分ほどの距離にあり、採れたての野菜を新鮮な状態で届けられることもメリットです。
■レアル・ダイニングとの関係、取引をして良かったこと
毎朝、「Nishideria」スーシェフの相川さんとLINEビデオ通話で野菜の育成の様子を見ながら、料理に最適なサイズで収穫をします。新しい野菜を植える前には、どんな味や食感が欲しいか、使いたい時期などを聞いて、店と農家がひとつのチームのような感覚です。
珍しいイタリア野菜を多品目栽培できるようになったことで、単価も売上も上がりましたし、「工夫次第で価値を生み出せる」という手応えも感じています。
実際にレストランへ行って、自分の野菜が料理になっているのを見ると、本当に感動します。私自身が驚きますし、お客様が喜ぶ姿を見ると大きなモチベーションになります。
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